微生物による脱窒素反応は、廃水中のアンモニア態窒素を酸化して亜硝酸態窒素および硝酸態窒素に変換する硝化反応、亜硝酸態窒素および硝酸態窒素を還元して窒素ガスに変換する脱窒素反応の2つの反応から成ります。
硝化反応は好気条件下、アンモニア態窒素を酸化して亜硝酸態窒素および硝酸態窒素にする反応です。アンモニアから亜硝酸への酸化反応には亜硝酸菌が、アンモニアから硝酸への酸化反応には硝酸菌がそれぞれ関与しています。
亜硝酸菌による酸化反応 NH+ + 3/2O→NO- + HO + 2H+
硝酸菌による酸化反応   NO- + 1/2O→NO-
脱窒素反応は溶存酸素の無い嫌気条件下、水素供与体として廃水中の有機物(BOD)を使用して亜硝酸態窒素および硝酸態窒素を窒素ガスに還元する反応です。亜硝酸態窒素および硝酸態窒素の窒素ガスへの還元には、亜硝酸態窒素および硝酸態窒素の約3倍の水素供与体(有機物=BOD)が必要です。もし、水素供与体が不足の場合はメタノールや酢酸等の添加が必要です。
亜硝酸態窒素の還元反応 NO- + 3H→N + 2OH- + 2H
硝酸態窒素の還元反応   2NO- + 5H→N + 2OH- + 4H

脱窒素処理には、循環式と順流式の2つの方式があります。
循環式の場合、脱窒槽は硝化槽から戻された硝酸態窒素を原水中の有機物(BOD)を使用して脱窒素反応が行われます。原水中の有機窒素化合物(亜硝酸態窒素および硝酸態窒素は除く)は脱窒槽を素通りして曝気槽へ送られます。
曝気槽では、残存BODが酸化分解されたのち、亜硝酸態窒素もしくは硝酸態窒素に酸化されて脱窒槽へ返送されてから、脱窒槽にて脱窒素反応により窒素ガスに還元されて除去されます。


順流式の場合、まず、曝気槽において原水中の有機物(BOD)が酸化分解されたのち、アンモニア態窒素が亜硝酸菌や硝酸菌によって、亜硝酸態窒素あるいは硝酸態窒素へ酸化されます。次いで脱窒槽において亜硝酸態窒素あるいは硝酸態窒素が窒素ガスへ還元されますが、原水中の有機物(BOD)が足りない場合は脱窒槽へのBOD源(メタノール、酢酸等)の添加が必要です。